夏に買って一度は読んだ『魔法をかける編集』を再読です。
文中に出てくる、ゲームを連想させる表現に少しイラッとしながら。
著者の藤本智士さんとは世代的には近いんですが、ゲームしないもので、“勇者”とか、なんだかしっくり来ないでした。
藤本智士さんといえば、秋田県発行のフリーマガジン『のんびり』。
質感・内容とも魅力的な冊子です。
藤本さんと秋田県のご縁はどこから?と思っていました。
秋田県イメージアップ戦略アドバイザーを務めていた梅原真さんだったと、『魔法をかける編集』で知りました。
あぁ…と、その熱量の相乗効果を感じたのでした。
今回の再読では、気になった言葉を書き留めましたので、引用します。
ちょっと多いかな…。
この文章から興味を持ったら、ぜひお手にとってください。
〈〉で囲まれた太字の言葉は、魔法です。
最小単位にして最強のローカルメディアは自分である
そもそもメディア(媒体)とは媒介であり仲立つもの。すなわちメディアの使命は「伝える」ことです。
メディア×編集
僕が思う編集力とはズバリ、「メディアを活用して状況を変化させるチカラ」です。
つまり、編集というのは手段であって目的ではないということです。
それを作ることよりも、作ったあとに世界がどう変化するかのほうが大切なわけです。
ローカルメディアのチカラを、最大限に引き出す、勇者の条件とは「謙虚であること」です。
手前の目標ではなく、理想とする未来の強いビジョン。
どれだけ豊潤なビジョンも、数学を前にすればいつだって言葉少なです。
「編集」とは、理想とする「ビジョン」を、多様な「メディア」を活用して実現させようとするための手段であり、「編集者」とは、その使い手であるというこのシンプルな図式を理解してもらえるだけで、世界は大きく変化します。
あたらしい世界をイメージしてもらう、言葉のあたらしさ
あたらしい響き〈名づけて共有させる〉
衝動の原点
あたりまえな状況を作るということに対して、編集の魔法はとても有効なのです。
地方のメディア(それが商品であれサービスであれなんであれ)に関わる人たちの中にあってなんらおかしくない、地方にいながら全国に向けて発信するという選択肢を、どうか最初からないものにしないでほしい
小さな声を信じ、より広げることにアイデアと労力を注ぐことが、狭義な意味でも広義な意味でも、ローカルメディアに携わる人々の本分だ
まったくもってどうかしていた
素人独特の突破力
素人力ともいうべきチカラほかの誰でもない自分だからこそ気づけたり、そのタイミングだからこそ偶然出会えたりといったことの純粋な幸福
自分というかぎりなくローカルなフィルターをとおして発言していくことの覚悟を決めた
相対的な価値に惑わされることなく、ローカルな絶対価値を発信し続ける
それがどこのことであれ、それはあなた自身の物語であるということを表現したかった
一つの土地に居続けることには、世界中を飛び回ることと同じだけの価値があるという当たり前のこと
まだ評価されてはいないスペシャル
あらゆる編集の魔法の中で、一番最初にやるべきことが、このディレクションであり、実のところこれは編集者にとってもっとも重要な仕事とも言えます。そんな大事な魔法にもかかわらず、みなさんがよく陥ってしまうのが、身近な人を起用するというやつ。これはまさにローカルメディアのウィークポイントだと僕は思います。
腹を括ったということ
〈ディレクション(いわば采配)でクリエーションする〉
ここからすでにものづくりははじまっているのだという自覚がないディレクションは、取り急ぎだからと100均で買った器で、結局日々暮らしていくのと似ています。
あの日、あのとき、何気に「とりあえず100均でいいんじゃね?」と言っちゃった自分が、いまの暮らしのスケール感をすでに確定させてしまっているわけです。ただただそれが魅力的だからです。
マスメディアの情報は、東京という、最たるお爺さん社会のローカル情報です。
テレビというマスメディアから流れてくる情報は、東京という特殊なローカル情報なんだと認識して、自らの土地に根ざしたビジョンを描くことが、いま僕たちには必要なんです。
ビジョンを持ち、商品というメディアに編集をかけ算していく
まとめることが編集であるということは、ある意味正しいし、否定はしないのですが、そのことで消えてしまうものが確かにあるということ。
また、曖昧模糊としたものを、尺が足りないからと、白黒ハッキリさせてしまうことの恐ろしさは、僕たちがもっとも気をつけないといけないことの一つだと思います。白黒言い切る安易さに逃げることのない誠実さが編集には必要です。
テキトーが“適当”になる瞬間、このタイトルが正解だなって思う
絶対なんてない
なかなかあきらめない
そもそも想像できないものは現実のものになりません。
想像力をより豊かにしていくためにも、仲間は必要です。〈整理し、まとめ、ふれられるものにする〉
〈こんなものがあったらいいのに、を目の前に用意する〉
その〈こんなもの〉は、人々の
ほんの少し前を歩いていなければ使えない
半歩先
〈あまり遠くを見せすぎない〉ほどよく少し先を行くものに、人々は惹かれるんです。
〈待つこと〉
自身のたしかなビジョンに謙虚さを持って忍耐強く立ち向かえる勇者の存在は稀だ
すぐに結果が出るわけではないものに対して待ち続けるちから
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