『天のしずく』から感じたこと

雪が降った後の畑(シシトウ)

辰巳芳子さんを追ったドキュメンタリー映画『天のしずく』を観てから、十日ほど。
まだまだ余韻が残っています。
そして、ようやく少し書き残せます。

目次

パンフレットで振り返る辰巳芳子さんの言葉

映画『天のしずく』パンフレット

映画を振り返りたくて、パンフレットを買いました。
映画の中にも出てきた言葉や、撮影の外での言葉に触れることが出来ます。
映画に登場した料理のレシピも付いて、800円。

不安のはじまり

パンフレットの中の言葉で、気になったのは“不安のはじまり”です。
東日本大震災・原発事故以降に感じる「不安」は、“持っているものと持っていないものの識別を果たしていない”からではないかと。

実際に自分で確認したわけでもないのに、マスコミやSNSで流れてくる誰かの言葉で、“持っていない”と感じてしまうことも、それかしら。
自分にとって本当に必要かどうか考えずに、ただ“持っていない”ことに焦るのは、やっぱりおかしいですよね。
でも、考えている時間も無いようにすら、感じてしまう…。

「人間は生きているべきですね」

映画を観ていて、ジワッと来て、パンフレットでも確認した、この言葉。
国立ハンセン病療養所・長島愛生園で暮らす宮崎かづゑさんの言葉です。

人間は生きているべきですねぇ。
ここまで生きてこなくてはわからないことがあったと思うことがあります。

辰巳さんは、うなずきながら「八十過ぎてから見たり聞いたりすることって、また別ね。」と返します。
自分の今後も、少し楽しみになりました。

ていねいな調理の姿

辰巳さんのていねいな調理の様子に驚きました。
重ねて切ったりせず、ゆっくり包丁を下ろし、一つ一つ食材と会話しているようでした。
以前観た、佐藤初女さんの姿とも重なりました。

映画の後、何度か、“ていねい”を心がけて調理してみました。
味噌汁の具とか、野菜炒めの材料を一つ一つ切るという程度ですが。

いつもより美味しく出来上がった気がしました。
何より、そうしている自分が心地よかったのでした。
何だかホワンとした気持ちになるのです。
発見でした。

『天のしずく』パンフレット、辰巳芳子さんのレシピ

いつか作りたい、辰巳さんのレシピ。
特に気になっているのは、玄米スープと白和えです。

感覚や記憶を持っている幸せ

映画を観て、土や作物の感覚や記憶があることは、幸せなことだと感じました。
感覚や記憶が薄ければ、想像力だけでは難しい部分もあるわけで…。

自分の感覚や記憶を大切に、“持っていない”ものを数えるのではなく、“持っているもの”をしっかり見直したいと思いました。

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