8月23日(土)・24日(日)に福島県郡山市で開催された、「ただようまなびや 文学の学校」に行ってきました。
13名の講師による授業とロング・ホームルームで構成される受講料無料の学校。
私は、23日一日だけの入校でしたが、ものすごく刺激的な一日でした。
言葉をめぐる一日。
聴いて、感じて、考えて…幸せな経験でした。
まだノートをまとめきれておらず、自分の言葉にも出来ていないけれど、自己満足のメモとして残します。
川上弘美さんに会いたかった
今回、入校を決めた理由は、講師陣の中に「川上弘美」さんの名前を見つけたから。
好きな小説家の考え方や捉え方を生で聴けたらなぁという、ミーハーな理由です。
そして、川上弘美さんの著書を手にしたきっかけは、自分と名前が同じだっていうそれだけでした。
きっかけって、案外そんなもの。
少人数のワークショップもあったのですが、申し込み時は体調・気力が今一つだったので、「公開インタビュー」の授業を受講しました。
川上さん自身がファンであるという、シンガーソングライター浜田真理子さんへのインタビュー。
いくつかの曲を聴きながら、川上さんが浜田さんの詩について語ります。
私には浜田さんの歌声が音楽として気持ちよく、全然、詩に集中できませんでした。
聴いてるうちに、どんどん眠くなるという…。
川上さんを生で聴く、という目的は達成しました。
とてもチャーミングな方でした。
座談会ともう一つのインタビュー
言葉をめぐる座談会
最初に受講したのは、吉増剛造さん・小澤實さん・柴田元幸さん・古川日出男さん4名による座談会。
朝礼のあった古民家施設で、120名定員で開催されました。
座布団1枚が一人のスペースです。
詩人・俳人・翻訳家・小説家によって、言語表現について語られました。
人名を含め、私には難しい単語がいっぱい…。
話はさまざまに展開し、飛躍しました。
ここで、とにかく気になってしまったのは、詩人の吉増剛造さんです。
佇まい、語り口、そして話の飛躍と、なんだか目が放せないのです。
お話された方々については、20年くらい前に、柴田さんの翻訳された小説を雑誌で読んだことが記憶にあるくらい。
予習もせず恥ずかしい限りですが、そのために構えずに聴くことが出来たともいえます。
自分の中で、変換・消化しきれない言葉にワクワクしました。
音楽と言葉を考えるインタビュー
もう一つは、脚本家 吉田紀子さんによる音楽家 大友良英さんへのインタビュー。
まだ外と内の境界が曖昧な、建築中の建物の1階での授業でした。
インタビューとはいえ、途中、どちらがインタビュアーか分からないくらいの和やかな雰囲気でした。
テレビドラマ制作の中でどのタイミングで音楽家が参加するのか、物語や音楽がどのように生まれるのか、お2人の創作の一端をお聴きすることができました。
エピソードを聴きながら、高校時代の応援講習や応援団歌の練習を思い出しました。
応援団も学生時代の記憶も薄い割に、練習させられて嫌だったことは覚えています。
ドラマの世界に入り込めるかどうかって、音楽は重要ですよね。
大友さんが音楽を担当された「あまちゃん」「ロング・グッドバイ」は音楽で、ドラマにグイグイ引き込まれました。
最近では、つい第1話を最後まで観てしまった「聖女」は吉俣良さん、やっぱり…と思いました。
ロング・ホームルームでの華雪さんのお話
一日の最後に、各講師による授業の振り返りがありました。
受講できなかった授業の一部も共有できるわけです。
その中で、書家の華雪さんのお話が印象に残りました。
この日の華雪さんの授業は、“「いま」を書く”。
受講者の「いま」を一字書として表すワークショップということでした。
「いま」と聞いて思いつく一文字を、“イメージに触れる”感覚で、紙に表す。
うーん、集中力が必要そうだけど、面白そうです。
“フィジカルな表現”とも仰っていました。
言葉であり、文字という造形であり、身体的でもある「一字書」。
“誰にでも取り組める表現”であるとも話されていました。
そのほか、文章にまとめられないけれど、とても心に残ったホームルームの講評でした。
暑さの中の大人の学校
なにせ初めての福島、初めてのイベント、「なんとなく」すら雰囲気が分かりません。
シャトルバスとお弁当の予約はしておきましたが、大正解。
当日朝、まつだいを出る時には雨が降り、涼しいくらいでした。
福島もそんなに暑くはなかろう…と思っていたのは大間違い。
蒸し暑く、そして会場は熱気で暑かったのでした。
お弁当に付いてきた冷や汁と、冷たいペットボトルのお茶に助けられました。
また、シャトルバスで隣に座った20歳以上年下の女性とお話したのも楽しかったです。
彼女は聞き上手だったのかな、自分を振り返って反省します。
先生方、そしてスタッフの皆さんに感謝です。
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